<天 候>雨後くもり時々晴
<コース>短縮登山口[約960m]〜小さなお花畑(140分)〜トムラウシ公園(120分)〜トムラウシ山頂[2141m](70分)〜トムラウシ公園(60分)〜小さなお花畑(100分)〜登山口(100)
<歩行高低差>約1181m
<歩行時間>9時間50分(山頂まで5時間30分)

トムラウシは、十勝川源流のひとつトムラウシ川の水源となる山で、大雪山のピークの一つです。独特の山名、トムラウシとはアイヌ語で「花の多いところ」を意味するとも、「水草の生えているもの」の意だという説も。休火山で、山頂には溶岩ドームがあり、登山口にはトムラウシ温泉があります。
「大雪の奥座敷」トムラウシ
遥かなる道程の先に楽園はあった。
7月18日〜21日3泊4日で北海道の大雪山、トムラウシ、十勝岳の三山制覇の旅。はじめはトムラウシを目指します。
サホロリゾートの近く新得駅からレンタカーで約1時間、道々忠別清水線を通りトムラウシ温泉へ。
トムラウシ温泉の手前10キロ付近から未舗装となりますが、道も広く走りやすい道が続きます。
道すがらエゾシカにも出会えます。
トムラウシ温泉にある国民宿舎「東大雪荘」は思いの他立派な宿で、広い敷地内にトムラウシへの登山口があります。
今回は更に道を進み、車が入れる短縮コースの登山口へ。
東大雪荘の宿泊者はマイクロバスでここまで送迎してもらえるようです。
今回の登山道は長い道程となりますが、途中山小屋もなく、日帰りピストンを計画。出来るだけ道程を短くするためにもこの短縮コースは魅力的です。
車中で夜を明かし、早朝4時に出発です。


登山口とソーラー付きバイオトイレ
トムラウシという神秘的な名称と長い道程の不安から、今回の登山は非常に冒険心をかりたてられる山旅です。
しかも地図上では、カムイ天上、前トム平、トムラウシ公園などと記載されていますが、道標はなく実際にどこがその場所なのかわかり難いところもあります。
その上、登山ルートの前半は非常に悪路で、雨で非常にぬかるんだ路に悩まされます。ひどい所ではくるぶしまで泥に浸かるところも。
更に天候もあまりよくなく、雨の中、そんな泥路と悪戦苦闘がこまどり沢出合いまで続きます。


(左)登山口からしばらくは白樺林の平坦な路を行く。
(右)トムラウシ温泉からの登山道との合流点。

エゾコザクラやチングルマの咲く小さなお花畑。

笹原の平坦な路が続く。
水溜り・泥だらけの悪道と悪戦苦闘。
笹原の路から滑りやすい下り坂を下りて行くと、小さな滝があり、沢沿いの路を進み、こまどり沢出合いで沢を渡り、シナノキンバイの咲く沢沿いの急坂となります。

こまどり沢出合い


沢の上方は雪渓が残っていますが、
右側の雪渓脇を通ることができます。

雪渓上部辺りから高山植物も多く
見られるようになります。
やがて路は右の岩場へと旋回し、森林限界に飛び出します。

前トム平への長い登りを詰めていきます。




ケルンのある小山を越えると、
前方に伸びやかな美しい山が目に付きますが、
これは目指すトムラウシではありません。
左手の岩場を攀じ登り、丘の上に登り立つと、いよいよトムラウシの全容が真近に迫ってきます。


その裾野にはトムラウシ公園という楽園を従え、池塘や岩々が散りばめられた独特の景観が広がります。

トムラウシ公園へと一端下り、湿地帯を歩み、チシマフウロの群落、チングルマの群落、と見事なお花畑を通り抜けて行きます。

トムラウシ公園へと下っていきます。
路はトムラウシ山を左から巻くようにして徐々に高度を上げ、オプタテシケへの分岐を左に分け右方向に急登を上がり、溶岩ドーム脇のガレ場を通り、最後のひと登りで、山頂へと達します。




トムラウシ山頂
山頂は狭く、10人も立ち止まってはいられない程です。
下山は往路をそのまま戻ります。
山頂は雲に隠れ視界がありませんでしたが、長く変化に富んだ道程を思うと、達成感のある頂上到達でした。
頂上では、今回のこのトムラウシ登頂により百名山制覇という年輩のご夫婦にお会いしました。二人は層雲峡から縦走してきたとのことで、皆から祝福され、とても嬉しそうでした。
秘境の楽園トムラウシは、百名山登覇の最後にふさわしい山と言えるでしょう。
トムラウシの高山植物
トムラウシ温泉
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