<天 候>くもり時々晴れ
<コース>
(1日目)
青木鉱泉[1100m]〜南精進の滝(80分)〜白凰の滝分岐(50分)〜白糸の滝(60分)〜五色の滝(30分)〜鳳凰小屋(60分)〜地蔵岳2734m地点(40分)〜鳳凰小屋(30分)
(2日目)
鳳凰小屋〜観音岳[2840m](70分)〜薬師岳(30分)〜林道合流点(120分)〜青木鉱泉(30分)
<歩行高低差>
(1日目)約1634m
(2日目)約1740m
<歩行時間>
(1日目)5時間50分
(2日目)4時間10分(青木鉱泉から観音岳山頂まで5時間50分)
鳳凰山は、南アルプス北部にある地蔵ヶ岳、観音ヶ岳、薬師ヶ岳の三山の総称です。一般に鳳凰三山と呼ばれています。花崗岩の白い山肌が特徴的で、地蔵ヶ岳の山頂部には地蔵ヶ岳オベリスクと呼ばれる巨大な尖塔があります。

テントデビュー戦
花に囲まれた鳳凰小屋、
花崗岩の稜線に咲くタカネビランジ
週末の天候に恵まれず、何週か見送っている内に9月になってしまいましたが、今週は何とか天気も持ちそうなので、鳳凰山を決行します。
今回のルートは、青木鉱泉からドンドコ沢を遡る滝が見もののコースで鳳凰小屋で1泊し、ショートカット道で観音岳に至り、薬師岳を経て中道を青木鉱泉に下る周遊コースです。
ドンドコ沢という名称と豊富な滝に惹かれ、このコースを選択。
夏山の山小屋の混雑ぶりに堪え切れず、ついにテントを購入。今回はテント泊のテストマッチなのです。
(1日目)
青木鉱泉の外来者用駐車場に車を停め(ここは有料です。)、青木鉱泉の庭を通り(庭に登山口と登山届があります。)、登山道に入ります。

山間の一軒宿の温泉
明治の浪漫情緒が残る風情ある建物だ。
樹林の中の路を少し行くと、河原に出る路と山道コースに分かれます。

山道コースを進むと、結局河原に出てしまいます。

しばらく河原を歩くと、また山道コースに入り、山腹の路をジグザグに上がっていきます。
山林の中の路を黙々と上がっていきます。
途中で沢を横切ります。苔むした岩の間を水が流れ、マイナスイオン全開の感じです。沢でちょっと休憩した後、少し進むと1つ目の滝、南精進ノ滝への分岐に出ます。
折角なので滝見台へと進みます。
滝見台まではそれほど時間は掛かりません。
滝見台からは戻らずに急坂を上がって進むと、元の路に合流します。

南精進ノ滝への分岐
ドンドコ沢コースといっても沢登りのコースではありません。永遠樹林帯の中の路で、時々滝に遭遇します。
樹林帯の急坂を上がっていくと、再び鳳凰ノ滝との分岐になります。
鳳凰ノ滝方面に向いますが、今度は滝まではちょっと時間が掛かります。
草木が生茂る険しい路になってきます。
遠くに滝が見えるところまで進み、引き返します。
引き返すと言っても、元の分岐までは戻らずに、再び元の路に復帰できます。

鳳凰ノ滝への分岐
この辺りから更に路は急になり、喘ぎ登るようになります。
地図では次の滝まで近く感じますが、鳳凰ノ滝分岐から1時間程掛かり、白糸の滝に着きます。
この滝はコース沿いに滝見台があり、苦なく滝を見ることが出来ます。
白糸の滝を過ぎると少し路の勾配も緩み、ほどなく4つ目の滝への分岐に出ます。
河原のほうに降りていくと滝の全貌が姿を現します。
この滝が一番大きく立派で一見の価値があります。
滝巡りも終わり、次第にザレた路が多くなってきます。

山肌が崩壊し、森林がなぎ
倒されている。
やがて山道はドンドコ沢の河原に下り、沢を上がっていきます。

二股のところを右に林の中に上がり、歩いていくと、突然ヤナギランの群落に出くわします。

ヤナギラン
そのすぐ裏側が今日の宿泊場所である鳳凰小屋です。
青木鉱泉からっここまで5時間弱です。
ここから地蔵岳を往復します。
小屋からオベリスクまでは40分程度です。
小屋から林の中の細い路を行くと、やがてダケカンバの林になり、森林限界へと出ると、前方にオベリスクが姿を現します。

花崗岩と白い砂のザレた急坂を上がるようになります。
急斜面でしかも砂が深いので、足を取られ歩き難い路です。




オベリスクを見上げながら、休み休み斜面を詰めていくと、賽ノ河原に出ます。賽ノ河原には沢山の地蔵が並び、奇妙な光景です。


地蔵岳のオベリスクを仰ぐ。


賽ノ河原から望むオベリスク
賽ノ河原周辺には今回のお目当でもあるタカネビランジがあちこちに咲いています。


鳳凰山 タカネビランジ、ホウオウシャジン
「Nature Cruise」にUPしています。
賽ノ河原でのんびりと過ごし、鳳凰小屋に戻ります。
(2日目)
夕べ騒がしかった隣のテントの学生達は、まだ暗い内にテントを畳んで旅立っていきます。
こちらは辺りが明るくなってからごそごそ起きだし、6時位に小屋を後にします。
小屋からは観音岳へのショートカットの路を行きます。
ショートカット道は、小屋の水場を河原に降り、梯子を登って、向いの斜面に取り付きます。

鳳凰小屋に別れを告げます。

樹林帯の中の急登
樹林帯の中の急登がしばらく続き、やがてダケカンバの林をジグザグに進むと、花崗岩が点在する白砂の広い鞍部に出ます。
ここで、地蔵岳からの尾根路と合流します。


地蔵岳と観音岳の鞍部からは北岳・間ノ岳が望めます。

観音岳の登りから地蔵岳を振り返る。
花崗岩の岩山を登り、稜線の先に観音岳の山頂はあります。

鳳凰三山の最高峰 観音岳頂上を望む。

観音岳山頂付近

観音岳から薬師岳方面を望む。
観音岳から稜線を通り、薬師岳に向います。



稜線から観音岳を振り返る。
なだらかな稜線を上がっていくと、やがて広い砂の岩場が見えてきます。
この坂を上がると薬師岳の山頂となります。



薬師岳山頂
山頂は平坦な白砂の広場になっています。
山頂から反対側の下方には薬師岳小屋が見えます。
左方向が下山道の中道コースです。
稜線とも別れ、あとは青木鉱泉を目指して中道コースを下ります。

間もなく樹林帯に入り、グングン高度を下げていきます。
笹原の斜面を下り、途中林道を横断し、更に林のジグザグ道を下り、最終的には林道に出ます。

中道コース登山口
登山口を右に曲がり、林道に出たら左折して、後は林道歩きです。
途中林道は二手に分かれ、右方向に進みます。
林道の左手に青木鉱泉近道の表示に従い、河原を横切り、往路で通った山道と合流し、青木鉱泉に戻ります。

ドンドコ沢の滝見が励みにはなりますが、ドンドコ沢コースも中道コースもほとんどが林の中の単調な路が続きます。標高差にして約1700mの昇り降りです。
地蔵岳のオベリスクや鳳凰三山の白い砂の稜線が印象に残るコースでした。
テントデビュー戦は無事終了しました。
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