2008年12月28日

悪沢岳

<登山日>2008/9/13(土)-15(日)
<天 候>くもり時々晴れ
<コース>
(1日目)
椹島ロッジ[1150m]〜鉄塔(50分)〜清水平(110分)駒鳥池(110分)〜千枚小屋[2610m](40分)
(2日目)赤石岳
千枚小屋〜千枚岳(40分)〜丸山(50分)〜悪沢岳[3141m](30分)〜中岳(60分)〜荒川小屋(50分)
〜大聖寺平(30分)〜小赤石岳(60分)〜赤石小屋分岐(10分)〜赤石岳[3120m](20分)〜分岐(10分)〜富士見平(70分)〜赤石小屋(20分)〜2100m地点(60分)〜椹島ロッジ(90分)
(3日目)
椹島ロッジより下山

<歩行高低差>
(1日目)約1460m
(2日目)約1991m

<歩行時間>
(1日目)5時間10分
(2日目)10時間(椹島から悪沢岳山頂まで7時間10分)

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悪沢岳(東岳)は、南アルプスの中央部に位地し、中岳、前岳と合わせて、荒川岳(荒川三山)と呼ばれます。荒川岳は、3000m級のいくつかのピークの集合体であり、その中で悪沢岳が標高3,141mで、日本第6位の高さを誇ります。

荒川岳一帯は、カール地形が数多く見られ、その中でも中岳、前岳から荒川小屋に下る斜面では、大規模なお花畑を見ることができます。


3000m級の峰峰を結ぶ周遊コース
荒川三山と赤石岳へ

今回のルートは、椹島から千枚小屋へ上がり、荒川三山を経由して、赤石岳に至り、赤石小屋から椹島へ戻る周遊コースを辿ります。

椹島へは、静岡側から通行止めや迂回路の多い山道を経て、畑薙第一ダムへ至り、そこから東海フォレストの送迎バスを利用することになります。

東海フィレストの送迎バスを利用するには、東海フォレストの経営する山小屋を一泊(食事付き)することが条件となっています。山小屋は、登山口の椹島ロッジ、二軒小屋ロッジ、千枚岳直下にある千枚小屋、荒川岳と赤石岳の鞍部にある荒川小屋、赤石小屋等があり、その中から行程に合わせ宿泊することになります。事実上の各宿泊施設の送迎バスという扱いになっているのです。

バスは無料ですが、乗車の際に3000円支払い、3000円分の引換券を山小屋宿泊の際に利用できる仕組みになっています。行程の中のどこでこのカードをキルかが腕のみせどころとなるゲーム感覚のルールなのです。
これを、通称「南アルプスの椹島ルール」叉は「東海フォレストルール」と勝手に命名させていただきます。

(1日目)

早朝、畑薙第一ダムに到着すると、もう既に大勢の登山客でごった返しています。駐車スペースに停められず、林道沿いに停めようとすると、係員にゲート口まで移動するよう指導され、マイクロバスにも乗車できず、結局ワゴン車での送迎となってしまいます。

東俣林道の途中で垣間見る事が出来る、聖岳の気高き三角屋根が印象的です。

椹島ロッジへの分岐で車を降り、林道をそのまま進むと滝見橋があり、そのたもとを左に入る千枚小屋に向う登山口があります。

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橋の左手前が登山口です。

登山口を入るとすぐに左手に山肌を流れる滝があり、そこを過ぎると吊橋を渡ります。

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滝の横を通り進みます。

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ゆらゆら吊橋を渡ります。

山腹に沿って山道は続き、ジグザグに上がっていくようになります。

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林の中の岩の路を上がります。

鉄塔を過ぎ、尾根道を上がると悪沢岳方面が見えてきます。

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唯一見通しのよいところ。
千枚小屋までは展望のきくところは
ほとんどありません。

一端下り、再び登り返すと林道に出ます。

左に折れると、林道沿いにある梯子を上り、再び山道を上がっていきます。

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林道に掛かる梯子。
再び登山道へ。

この山域は東海パルプの所有地が多く、以前は樹林帯で大規模な伐採が行われていたため、かなり標高の高い地域まで林道が延びています。
登山道を歩いていても、林道と並行しているため、トラックの通過するエンジン音が聞こえたりして、ちょっとシラケます。

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やがて林の中を沢が流れる清水平に至ります。

さらに登りが続き、展望の利かない長い長い坂道をひたすら登って行きます。

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まっすぐ伸びた林の中の路は、
本日のガマン処です。

周辺はシラビソの林に変わり、右手に駒鳥池を見ながら、本日最後の急登を上がって行きます。

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駒鳥池
林の下のほうに微かに垣間見る事が出来ます。

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(左)駒鳥池を過ぎると左手の谷越しに千枚小屋が見えます。
(右)この辺りまで林道は伸びています。ここから谷を越えて小屋まで荷物を運ぶケーブルが伸びています。

やがて本日の宿泊地、千枚小屋に到着します。

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千枚小屋が見えてきます。
小屋周辺には傾斜した小さな草原があり、
夏には色とりどりの花を咲かせます。

千枚小屋は、見晴らしのよい気持ちのいい綺麗な小屋で、小屋の横には水洗トイレもあります。
今回のルートではこの千枚小屋の他、荒川小屋や赤石小屋同様に小奇麗な小屋で、同じようにトイレが整備されています。

ここでは例のカードは使わず、テント泊とします。
テント場は小屋の前を通り過ぎ、少し下った静かな林の中にあります。

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(左)千枚小屋
(右)テント場

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(2日目)

朝は予定より少し遅れ、6時頃小屋をあとにします。
小屋の横の傾斜地をジグザグに上がっていきます。

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朝靄の中、遠くに富士が浮かんでいるのが見えます。

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ダケカンバの林を抜けると、ザレた路に変わり、小屋を出てから40分程で千枚岳に着きます。

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千枚岳

千枚岳からは山腹に沿って作られた路を丸山へと上がっていきます。

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この辺りから雨が落ちてきます。
ガレ場をコツコツと上り詰め、丸山へと達します。

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丸山への登り路

丸山を越え、尾根を辿ると、悪沢岳山頂が迫ってきます。

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山頂付近はガスが掛かり、その姿を
はっきりと捉えることが出来ません。

やがて大きな岩が重なり合うような岩場となり、赤いペンキを頼りに上がると山頂に至ります。

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悪沢岳頂上
山頂には「荒川東岳」と記されています。

山頂を越えると、中岳までの鞍部は大きく落ち込んでおり、急坂を一端下ります。

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眼前に中岳を眺めながら、中岳への登りに差し掛かります。

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東岳山腹から中岳を望む。


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中岳山頂も目前に迫ります。

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中岳避難小屋
中岳山頂の標識は小屋の先にあります。

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天候も回復し、気持ちのいい稜線を歩いていくと、前岳と荒川小屋への分岐に出ます。

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前岳への分岐

分岐から荒川小屋へと下ります。
前岳南東斜面は、夏には南アルプス有数のお花畑です。

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今なおお花畑の片鱗を感じさせる急斜面を、一気に下ります。

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荒川小屋へ降りていく途中では、
前方に目指す赤石岳が望めます。


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沢を渡ると、荒川小屋ももうすぐです。

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荒川小屋到着!
ここで昼食です。
ここから赤石岳を目指します。

赤石岳へ続く

悪沢岳・赤石岳 本コースで見られた高山植物
Nature Cruiseへ


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悪沢岳の東側に位置する丸山(標高3,032m)、千枚岳(標高2,880m)の中では標高は悪沢岳が最も高く、それぞれに独立した名前はありますが、実際には稜線上の小ピークといった感じです。悪沢岳と中岳の間は鞍部は大きく切れ込んでおり、独立感はありますが、前岳とは稜線上で連なっており、全体を「荒川岳」または「荒川三山」という一つの大きな山と捉えるのも分からなくもありません。実際2日目に富士見平から見ると一つの山体として感じられます。


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posted by Cruiser at 08:21| 長野 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 日本百名山 登山履歴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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荒川三山・赤石岳
Excerpt: 椹島ロッジ〜千枚小屋〜千枚岳 悪沢岳〜中岳〜荒川小屋 赤石岳〜赤石小屋〜椹島ロッジ
Weblog: Nature Cruise
Tracked: 2009-02-11 22:48
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