<天 候>くもり時々晴れ
<コース>戸隠牧場[約1200m]〜一不動避難小屋(100分)〜五地蔵山[1998m](50分)〜高妻山[2353m](120分)〜五地蔵山(90分)〜一不動(50分)〜牧場(100分)
<歩行高低差>約1153m
<歩行時間>8時間30分(山頂まで4時間30分)

高妻山は、長野・新潟県境にある戸隠連峰の最高峰で、戸隠山の北部にあり、五地蔵山、乙妻山とともに戸隠裏山と呼ばれています。
麓に咲くニリンソウの大群落に招かれて。
戸隠牧場から始まる登山コース。牧場の草原ではこの時期ニリンソウの群落が私たちを出迎えてくれます。

登山者を歓迎するかのように、ニリンソウは登山道の両脇を固め、その歓迎は一不動の避難小屋近くまで続きます。
このニリンソウを見るだけでもここを訪れる価値がありそうです。
登山道は一不動までは沢を辿って進みます。
はじめ新緑の林をゆったりと流れるその沢は、登山道を辿るにつれ徐々に急流へと変化し、ときには滝へと姿を変え、最後に一杯の氷清水となって登山者の喉を潤します。

鮮やかな新緑の林床には、ニリンソウをはじめとした春の可愛らしい草花が息吹き、今年もまた春の山の姿を描き出します。
春のこの山の醍醐味は麓にある、といってもいいかもしれません。
戸隠牧場〜一不動コース
戸隠キャンプ場と戸隠牧場を目指します。
戸隠キャンプ場のバス停から車道をキャンプ場に向い、橋を渡った先で右方向に別れ、牧場方向に進みます。左方向に行くとキャンプ場の中に入り込んでしまうので注意。
牧場の入口の両脇に駐車スペースがあります。(6月からは有料とのこと。)

戸隠牧場入口
牧場入口から歩き出します。
登山口を示す標識に従い、牧場内を通り抜けて行きます。


美しい草原を道なりに進むと登山口があります。

登山口

しばらくなだらかな路を進むと沢に出ます。
登山道は「登山道」の標識と赤ペンキなどで示され迷うことはありません。


路は沢を何度か右へ左へ渡り返しながら上流へと進んでいきます。
やがて滑滝に付けられた鎖場を上がり、沢の中を進むようになります。


滑滝の鎖場
沢は幾重にも分かれ、沢の間の草付きを上がって行くと、再び鎖場があり、なんとも滑りやすそうな絶壁の岩帯を横切り、不動滝の落ち口を鎖を伝って登ります。




鎖場は登りは何てことありませんが、下りではちょっと神経を使います。
再び沢の中を歩き、沢の水が少なくなると水場があります。




「一杯清水」改め「氷清水」とのこと。
水場を過ぎると沢の水はなくなり、間もなく一不動の避難小屋に出ます。

一不動避難小屋
左方向は戸隠山へ。右の五地蔵山方面へ進みます。
尾根路をジグザグに上がり、ニ釈迦、三文殊、四普賢を経て五地蔵山へと至ります。途中右側が切れ落ちた尾根路から左手にドーンと立ち上がる高妻山を望むことができます。

ニ釈迦

三文殊

四普賢

五地蔵

左手に高妻山が見えてきます。


五地蔵までの尾根路


五地蔵山山頂はササと潅木に囲まれたちょっとしたスペースとなっていて、木々の間から高妻山が見えます。
五地蔵から先は、六弥勒、七薬師、八観音、九勢至といくつかの小ピークを越えながら進みます。この辺りからこの時期は残雪が現れ、所々残雪の上を歩くようになります。

六弥勒

七薬師
八観音だけ見当たりません。雪の下なのか?

九勢至

高妻山までの稜線
いくつものピークを越えていきます。

残雪も多くなってきます。
右遠方には妙高山、火打山が望め、左手には鋸状の岩峰の戸隠山を望む尾根路は、戸隠山から五地蔵、高妻山へと半円を描くような格好で尾根が連なっています。

妙高山から火打山の山並みが美しい。

鋭い岩峰を覗かせる戸隠山
九勢至を過ぎるといよいよ高妻山本峰の急登がはじまります。


背丈よりも高い笹原をまっすぐに上がっていくと、突如視界が開け、急斜面の雪原(雪渓)に出ます。

ここを笹原に添って上部に向って直登します。
キックステップで100m位登ると、笹原の先の登山道に繋がります。

そこからひと登りすると、高妻山の肩に出て、ゆるやかな路になり、岩場を越えて高妻山の山頂へと達します。岩場のところには十阿弥陀の石祠があり、最高点はその先となります。

山頂真近

十阿弥陀 頂上はこの先


高妻山山頂
*高妻山本峰への笹原の急坂を抜けた急斜面の雪原(雪渓)では、はじめ霧が立ち込め視界がなかったため、どちらに進んでよいかわかりませんでした。トレースもなく、リボンなどの目印もありません。この日の一番登山者となってしまった自分は、雪の急斜面を少し上がってみたものの、先が見えずもとに戻って途方に暮れていると、この日の二番登山者に導かれ、先程の斜面を上がる方向でよいことがわかりました。
この斜面はアイゼンは必須、ピッケルもあった方が無難だと思いますが、この二番登山者はアイゼンをすることもなく、勇ましく雪の斜面を上がっていかれました。この方と二人でトレースを作りながら、本日最大の難所をクリア出来たのでした。
往路を戻り下山。
再びアップダウンを繰り返しながらの下山ですので、登りと同じくらいの時間が掛かります。
高妻山にこの時期登る人などいないと思っていましたが、後方からは何人もの登山者が上がって来ていました。さすがは百名山、人気あります。
この高妻山へのルートは、前半の沢歩き、鎖場の滝登り、後半の雪の斜面の急登と変化に富んだ意外にも面白いコースです。
百名山制覇まであと 14座
なんちゃって百名山TOPへ
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