2009年08月29日

幌尻岳

<登山日>2009/8/7(金)-8(土)
<天 候>晴後くもり
<コース>
(1日目)
林道仮ゲート[約470m]〜林道ゲート(30分)〜取水ダム(70分)〜幌尻山荘[約950m](90分)
(2日目)
幌尻山荘〜命の水(70分)〜幌尻岳山頂[2053m](90分)〜命の水(90分)〜幌尻山荘(30分)〜取水ダム(80分)〜仮ゲート(90分)
<標高>2053m
<歩行高低差>約1103m
<歩行時間>
(1日目)3時間10分
(2日目)7時間30分

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幌尻岳(ぽろしりだけ)は、北海道、日高山脈の最高峰で、アイヌ語でポロシリは、「大きな山」の意味。
山体上部では、七ツ沼カールに代表される氷河が形成したカールを抱き、2007年、日本の地質百選に選定されています。


最難関?
気持ちのいい渡渉
憩いの幌尻山荘とお花畑の幌尻岳

登山ルートは額平川(ぬかびらがわ)を遡り、幌尻山荘をベースに登るコースが一般的。幌尻山荘までは額平川の渡渉を繰返し登るルートです。

渡渉は、増水していなければ、せいぜい膝のあたりまで浸かる程度ですが、流れは速く、ところどころに深い場所もあるので、渡る場所をよく見極める必要があります。

膝程度とはいえ、沢の流れは意外にも強く、かなり踏ん張らないとよろけてしまいます。

1年前から渡渉の装備はどうすればいいのか考えていましたが、今回のためだけに渓流シューズなどを買うのは勿体無いと思い、太股までの格安なワークウェーダーにしました。長靴の長いヤツです。

このワークウェーダーというヤツは、長靴ですから登山靴よりある難い、沢の流れの抵抗を受けやすく、沢を歩くときはもっと歩き難くなります。

これならば、濡れることを覚悟して、普通の登山靴で渡渉したほうがましかもしれません。

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こんな感じ。
失敗例です。



幌尻岳は、百名山の中でも最難関と言われていますが、思ったより楽に登ることができます。

林道歩き2時間弱、取水ダムから渡渉の沢歩き1時間半程度、幌尻山荘から山頂まで3時間程度ですので、早朝から登れば日帰りも可能です。

難関と言われる所以は、やはり百名山の中では唯一沢の中を歩かなければいけない、その沢も増水すると渡れなくなるかもしれないというところにあるのでしょう。それ以外ではヒグマがいるかもしれないという不安があることでしょうか。

幌尻山荘に泊まる場合は事前に予約が必要で、テント泊は不可というところが難儀ですが、コースそのものは難所もなく、ごく普通の登山道です。

幌尻山荘から山頂を目指す場合は、山荘に荷物をデポし、小さなザックで往復するのが快適です。

森林限界を超えての稜線歩きは、晴れていれば、見事なお花畑の中を闊歩でき、すばらしい景色が約束されています。

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ザックの中に携帯できる小型のザック
通称「アタックバック」




額平川上流 渡渉コース
(1日目)
額平川を遡るルートの幌尻岳への登山口は、平取町本町を日高方面へ約40分、振内市街を過ぎたあたりに「幌尻登山入口」の案内看板を頼りに右折し、途中から舗装道路からダート道に変わる約30`の長い林道の先にあります。

取水ダムの手前7.5キロ地点に仮ゲートがあり、ここから更に林道を2時間近く歩きます。仮ゲートの左横には駐車スペースがあります。

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仮ゲート
左に駐車スペース
右の林道を上がっていきます。

仮ゲートからもともとの林道ゲートまで約30分ほど歩き、更に林道を歩きます。

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林道ゲート
以前はここまで車が入れたようです。

退屈な林道歩きも、林道の脇のところどころに見られる沢や滝に癒されます。

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橋を渡って坂を登ると取水ダムに到着します。

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取水ダム

ここからいよいよ沢沿いの登山道となります。

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すぐに沢を渡る路がありますが、前半は沢の左岸を高巻く路を選択すれば、渡渉せずに進むことができます。

左手から四ノ沢が入ってくる手前辺りから渡渉が始まります。
渡渉はだいたい20回程度(10回程度の渡り返し)です。

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四ノ沢が合流

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こんな感じのところを渡渉します。

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河原を歩いたり、水際を歩いたり、赤いペンキやリボンを頼りに渡渉を繰返し、幌尻山荘に到着します。

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対岸にこんな感じの滝が見えたら幌尻山荘も近い。

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山荘附近の沢の様子

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幌尻山荘
素朴な造りで憩いの場的な小屋です。水は豊富。
小屋番はいますが自炊です。要予約・事前振込。

羽田空港を朝早い便で発ち、千歳空港からレンタカーを使えば、夕方までには幌尻山荘に着くことが出来ます。


(2日目)
山頂への路は、小屋の右手の急な坂を上がっていきます。

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樹林の中をひとしきり登ると、なだらかな見通しのいい路に出ます。
左手には戸蔦別岳などが望めます。

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緩やかな路を進むと再び、尾根の急登がはじまり、その途中に命の泉があります。登山道を離れ少し下ったところに細い水場があります。

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命の水

登山道に戻り、更に急坂を上がって行くと、やがてダケカンバからハイマツ帯へと入っていきます。

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ハイマツの稜線に上がると、右前方に遥かなる幌尻岳への稜線が、そして北カールが見えてきます。

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ピークを越えて少し下ると、そこは両脇に見事なお花畑が広がります。
この時期はウサギギクが先行していますが、その他にもエゾツツジ、チシマフウロ、ミヤマアズマギクなど様々な高山植物がここに凝縮して咲き乱れています。

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始めのピークを越えると気持ちのいいお花畑の稜線歩きが待っています。

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左下方にカールの全容が現れる。
カールの中には沢が流れています。



快適な尾根路を登り、カールの淵をなぞるように左に旋回し、稜線上部で、奥新冠ダムからのルートと合流し、岩場をひと登りすると山頂に到着です。

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新冠コースとの合流点

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幌尻岳山頂

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山頂からの360度展望
(右)戸蔦別岳方向
(左)登ってきた稜線
(中下)北カールの反対側 新冠コース方向

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帰りは往路を戻りますが、お花畑での撮影に時間を忘れてしまいます。
山荘まで戻り、自炊での軽い食事を済ませ、再び渡渉を繰返し下山します。

登山口から、次ぎの目的地、後方羊蹄山に向け、キタキツネが横切る林道を下っていきます。

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幌尻岳の高山植物


百名山登覇まであと 4座


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posted by Cruiser at 12:39| 長野 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本百名山 登山履歴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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