<天 候>晴れ
<コース>
(1日目)
扇沢−室堂平[約2430m]〜別山乗越[約2750m](150分)〜剣沢キャンプ場[約2530](30分)
(2日目)
剣沢キャンプ場〜剣山荘[約2470m](30分)〜一服剣(20分)〜前剣(60分)〜平蔵のコル(40分)〜剱岳山頂[2999m](40分)〜前剣(60分)〜
剣山荘(60分)〜剣沢キャンプ場(30分)〜別山乗越(40分)〜室堂平(130分)
<標高>2999m
<歩行高低差>約569m
<歩行時間>
(1日目)3時間
(2日目)8時間30分(室堂平から剱岳山頂まで6時間10分)
剱岳は富山県東部、北アルプスの立山連峰北部に位置し、北アルプスの中でも最も峻険な山として知られています。その険しい岩稜と急峻な谷に残雪を抱く様は、「岩と雪の殿堂」と言われる所以です。
剱岳の岩場は、谷川岳、穂高岳とともに日本三大岩場に、また剣沢の雪渓は、白馬、針の木岳とともに日本三大雪渓のひとつに数えられています。
20座目のリベンジマッチ
99座目 岩をよろう剱の頂へ
剱岳への一般登山ルートは、立山黒部アルペンルートの室堂ターミナルからと、馬場島からの早月尾根ルートの二つあります。
今回は、室堂ターミナルからのルートで、雷鳥沢を登りつめ剱御前小舎に出て剱沢を下り、剣沢小屋、剣山荘を通過し一服剱、前剱、カニのタテ這いを経て山頂に至るルートです。
剱岳は、百名山5座目の立山登頂の際に見た峻険な山容に圧倒され、脳裏に焼きつけられました山です。
思えば3年前、ちょうど百名山20座目のときにこの山に挑戦し、計画のなさと体力のなさに敢無く敗退、無念の登頂断念を強いられたことを思い出します。
あれから3年、80座を経て今再びこの山に合い向かうこととなります。
今回は剣沢のテント場で前泊し、次ぎの日の登頂に万全を期してのぞみます。
室堂平〜剣沢キャンプ場
標高2400mの室堂平では、いよいよ紅葉がはじまり、山の斜面に赤・黄色・緑の美しいコントラストを描き出し、すっかり秋めいてています。

天候にも恵まれ、気持ちのいい朝
黄金色に染まった室堂平
みくりが池から雷鳥荘経由で雷鳥平へ降立ちます。


(左)みくりが池に映る立山
(右)池の後方には地獄谷の噴煙があがる。


(左)室堂平から別山乗越方面をのぞむ。
(右)雷鳥平のキャンプ場から立山をのぞむ。
浄土沢の木橋を渡り、左方向に進むと別山乗越しへの登り路がありますが、今回はさらに先に進んだ奥大日岳へに向かう路を上がり、奥大日岳への分岐を右に別山乗越方向へ降り返す格好で進みます。こちらのコースはやや遠回りですが、傾斜が緩やかで楽に登れます。


浄土沢にかかる木橋
浄土沢に沿う路

30分程登ると背後に室堂平が一望できます。


傾斜も緩むと別山乗越も近い。
(右)一直線に急登を上がってくる登山者の行列。
別山乗越も大勢の登山者が休憩をしています。

久しぶりのご対面。
別山乗越からの剱岳
剣沢のキャンプ地へと下っていきます。

別山乗越を振返る。


剣沢のキャンプ地
右はキャンプ場管理棟
剣沢のキャンプ地は別山と剣御前に囲まれたカール状の地形の中にあります。
映画「劔岳 点の記」の効果か、シルバーウィークのためか、剣沢のテント場は大勢の登山者で賑わっています。
夕食にはまだ早い時間だったので周辺の散策に出かけてみます。

新しくなった剣沢小屋
テント場から少し下ったところに新設。
昔の場所からは少し移動しているようです。


剣沢小屋の裏手にある小池に映る逆さ剱。
剱岳で遊んでみました。
テント場に着いた時にも幕営する場所を探すのに一苦労でしたが、夕方には足の踏み場もないほど(こんなとこテント張てねーだろ、というところまで)テントが一面に張られています。
夕食を済ませ、その夜テントの中で聞いていたラジオのニュースで、乗鞍岳の畳平でクマが出没し観光客がケガをしたこと、荒船山でクレヨンしんちゃんの作者が遭難したこと、何れも衝撃的な知らせが飛び込んできました。
剣沢〜剱岳往復
台風は反れたものの、夜、風が強まり時折テントを揺らしていました。
朝4時半起床、5時には軽ザックでライトを照らしながら出発です。この時期はまだ5時でも夜が明けていません。
薄暗い中、剣沢小屋の左側を下り、大岩がゴロゴロする涸れ沢を渡り、剣御前の裾野を横切り、剣山荘に着きます。
剣山荘では赤々とライトが灯り、大勢の登山者が出発の準備をしています。
剣山荘の向こう側にある一服剣への登り路には、ライトを着けた登山者が列をなして上がっていく様子が見られます。まるで提灯行列です。
剣山荘から一服剣へは20分程度で到着します。
一服剣からは前方に前剣が立ちはだかります。

一服剣から少し下った前剣との鞍部で夜が明けます。
いよいよ前剣への急登がはじまります。

浮石の多いガラガラした路を上がって行きます。

ひとしきり登り振返ると、剣沢が一望できます。
更に登ると、まず最初の長い鎖場があります。
頭上には大岩が迫り、その横をすり抜けていきます。




鎖場を抜けると眺めのいい尾根上に出ます。
徐々に前剣の頂が近づいてきます。
緩やかな登りになると前剣山頂です。
路は前剣の頂を巻くように通っていますが、頂に上がってみます。
前剣を過ぎると鎖場が連続します。
鎖場は登りと下山で違うルートを辿り、各々の鎖場に番号がふられています。
前剣の門を越え、少し下り、再び登りとなりトラバースぎみに上がって行きます。

見晴らしのよい稜線に出るといよいよ剱岳本峰が迫ってきます。

前剣の峰の後方には剣沢、さらには立山も望めます。
平蔵の頭を過ぎると、平蔵谷側に出て、鎖場を抜けて、平蔵のコルに到着です。


平蔵の頭
前回はここで断念し引き返したので、いよいよここから未知の世界に突入します。
平蔵のコルから今回のハイライトとも言うべきカニノタテバイの岩壁が待っています。
カニノタテバイは、コルから右に回り込み岩壁を直上する鎖場です。

カニノタテバイの岩壁
カニノタテバイの前では既に20名位の人が列を作って順番を待っています。




3年前の仇を討つ時がきました。
いよいよ自分の番になり鎖に手を掛けた時、
3年前の20座足らずの自分に、99座目のもう一人の自分が、
「お前の仇はオレがとってやる。」と心で呟いていました。

上から見たカニノタテバイ
鎖場は思ったより足早や手掛かりは豊富で、しっかりした鉄杭を頼りに、それほど鎖に頼らずにも登れます。
鎖場は左に回り込み、岩の上に上がると、あとはガレ場を登って行きます。

下り専用の鎖場、カニノヨコバイの分岐を過ぎ、岩場の主稜線を登っていけば、祠のある剱岳山頂に到達します。
山頂は思ったより狭く、所狭しと登山者で溢れ返っています。
山頂では剱岳の看板を手にして写真を撮る登山者の光景が見られます。
360度の大展望に圧倒されます。
山頂附近から下山は登りとは別の路がきられています。

下山時に登ってきた尾根を望む。
岩場を下り、カニノヨコバイまで戻ります。


カニノヨコバイは下り専用の鎖場で、はじめ少し下に降りた後、鎖は岩の横に取り付けられ、鎖に沿って岩を伝わっていきます。
岩を右に90度回り込むところが一番ややこしく、足場を探しながら慎重に進みます。
ヨコバイはタテバイよりも難関です。


鎖が終わると梯子を下り、更に鎖場を通り過ぎ、平蔵のコルに降立ちます。
ここからは来た路を戻ります。


(左)平蔵のコルより
(右)前剣の門 NO.13下山用の鎖場です。

前剣山服より一服剣をのぞむ。


3年前に来た時にはまさに建設中だった真新しい剣山荘
テント場に戻ると、食事をとり撤収です。
帰りは、剣沢を別山乗越へ登り、昨日登ったルートではない一般的な雷鳥平へのルートをとり、紅葉を愛でながら下山します。

別残乗越にある剣御前小舎
室堂のターミナルはシルバーウェークの影響で大勢の観光客で賑わっていました。立山ロープウェイは1時間30分待ちで、扇沢まで3時間近く要してしまいました。
今回は剱岳登頂へのリベンジを果すことができ、またすっかり秋めいた立山連峰を味わうことができ、記念すべき百名山99座目の山行となりました。
百名山登覇まであと 1座
明日からいよいよ百名山ラスト山行 奥穂高岳です。

剱岳(2010.9.19撮影 スバリ岳山頂より)
後立山連峰南部の稜線からは立山、剱岳を真近に望むことができます。
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