2009年12月05日

百名山後記<5> 美しき登山ルート 

登った山の印象の深さや思い入れは、山の景観と変化に富んだ登山ルートにあるような気がします。

深々とした冷涼な樹林帯、渓流の先に突如と現れる瀑布、高山植物が咲乱れる草原、点在する池塘、そそり立つ岩壁など、印象に残る景観は、そこに登山道が通っているから見られるわけで、どんなに素晴らしい景観を持つ山でもそこにルートがなければ、その景観に出会うことはできません。

そういう意味で登山ルートというのは、登山者にその山の印象を決定付ける重要なファクターと言えるでしょう。

池塘が点在する湿原と木道、沢を遡り滝を巻く路、雪渓登りとその周辺のお花畑を巡る路、森林限界のハイマツ帯や岩稜帯、万年雪を湛えた小池、荒涼とした火山帯を通る路など、これらの要素がひとつの山に出きるだけ多く共存している山が変化に富んでいて面白いものです。

同じ山でも登山ルートによって全く違った表情を見せたりしますので、地図から実際の地形や風景を想像したり、事前情報を収集しながら、登山ルートを選択することになるのです。


これまで百名山を登り、100の登山ルートを選択してきたわけですが、その中で印象に残る変化に富んだお勧めのルートを挙げてみます。

斜里岳の清岳荘から沢を逆行し馬ノ背に至るルート。
沢沿いの登山ルートというのは結構ありますが、沢の中を歩くルートでありながら、ほとんど靴を濡らすこともなく登れてしまうところがよく出来たルートだと感心させられます。いくつもの滝を巻きながら、ロープを伝わり登るアドベンチャー感覚満載のルートです。百名山の中で最も楽しめるルートのひとつだと思います。
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トムラウシ トムラウシ温泉からのルート。
前半は樹林帯の悪道が続きますが、コマドリ沢の雪渓登りやその後の森林限界や前トム平あたりの岩稜帯を経て辿りつくトムラウシ公園周辺のお花畑など、変化に富んだ道程は秘境の名の相応しい歩きがいのあるルートです。前半のぬかるんだ路が木道になれば最高のコースだと思います。
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鳥海山 滝ノ小屋から河原宿小屋を経て、外輪山をぐるりと廻って、山頂に至り、鳥海湖に下りるルート。
このルートには滝あり、お花畑あり、雪渓あり、岩稜帯ありの実に変化に富む登山道です。鳥海山の切り立った外輪山の様子や七五三掛からの絶景や鳥海湖周辺の長閑な感じなどバリエーション豊富です。
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御沢キャンプ場から三国岳を経て本山に至るルート。
同じ東北ではやはり飯豊山です。
前半はやや退屈な路が続きますが、剣ヶ峰の岩稜帯や切合小屋を過ぎてからの稜線と沢沿いの路、草履塚からの眺めや御秘所に至るお花畑など見所満載のルートです。長い道程なのでよけいに遥々感が味わえるという意味ではトムラウシに共通するところがあります。
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安達太良山 奥岳から勢至平、くろがね小屋を経て牛ノ背から山頂に至るルート。
安達太良山はロープウェイで五葉松平に上がり山頂を目指すのが最も手っ取り早いルートですが、勢至平の美しい緑と硫黄臭漂うくろがね小屋からのガレ場、峰ノ辻から牛ノ背に至る小川沿いの路、そして沼ノ平の荒涼とした景観など次々に変化するルートは飽きることがありません。
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巻機山 桜坂から割引沢を遡る沢コース。
吹上ノ滝、アイガメの滝、行者ノ滝などを次々に巻き進む沢登りの醍醐味を味わえるルートです。
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谷川岳 マチガ沢に沿って作られた巌剛新道。
ロープや鎖場などがある急登が連続するルート。次第に姿を現す渓谷と絶壁、やがてこんなところによくぞ登山道を作ったものだと感心させられるような岩場の急登は登り甲斐満点のコースです。
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浅間山 浅間山荘から火山館、湯ノ平を経て前掛山に登るルート。
山麓の美しい緑、カモシカ平のお花畑、火山館を過ぎてからの草原地帯、森林限界に出てからの湯ノ平付近のロックガーデンのような路とそれとは対照的な荒涼とした火山礫の登山道とのギャップに感動。黒斑山などの外輪山の美しい絶壁なども見物です。
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御嶽 中ノ湯からの黒沢コース、剣ヶ峰に至り、ニノ池から三ノ池を経由して黒沢コースの八合目に戻るルート。
山頂を往復するだけでは味わえない、池巡りや賽ノ河原、三ノ池から八合目への山腹道など、御嶽のもうひとつの魅力に出会えます。
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白山 別当出合から砂防新道、黒ボコ岩を経て室道平へ、御前峰に登り反対側に下り、池巡り後室道平に戻り、黒ボコ岩から観光新道で下山するルート。
白山の登山道は見事に整備されており、沢あり、滝あり、お花畑あり、草原を通る木道ありの、ガレ場ありの小池盛沢山の山岳風景の全てが揃った登山ルートと言っても過言ではありません。
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九重山 長者原から自然観察路を経由して法華院温泉を通り、北千里ヶ浜から御池を経て中岳に至るコース。
ここも湿原や温泉、火山、砂漠のような北千里ヶ浜や池など見所いっぱいで、次々に変化する光景は登山者を飽きさせない登山ルートです。
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宮ノ浦岳 淀川登山口から花之江河、投石平を経て山頂に至るコース。
世界自然遺産の山だけあって登山道はしっかりと整備され、屋久島ならではの屋久杉、ヤクシマシャクナゲ、ヤクジカ、ヤクザルなどと出会える探検ムード溢れる登山道。滝や湿原もあり、山並みも変化に富んだネイチャーアイランド感覚満載。
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総じて、活火山の登山ルートは景観も美しく、登山口付近の緑の美しい裾野やお花畑に対して、森林限界で一気に殺伐とした光景に変化するルートが多く、そのギャップに面白さがあります。

ここに挙げた印象深いルートには、日本アルプスの登山道がありません。部分的には面白いルートはありますが、全体として3〜5時間程の樹林帯の登りを経て、森林限界のハイマツ帯と岩稜帯、ガレ場と言ったパターンが固定化されており、突出して印象に残っているルートがないというだけす。

決して印象に残っていない山というわけではありませんし、好きな山というのとはまた別の話なのです。


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posted by Cruiser at 07:45| 長野 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 百名山後記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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Posted by スポーツ広場 at 2009年12月11日 11:40
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