<天 候>曇り時々雨&晴
<行 程>
(1日目)芦安市営駐車場ーバスー広河原[約1500m]ー白根御池コースー白根御池小屋(150分)〜ー草すべりー北岳肩ノ小屋(180分)〜北岳山頂[3193m](40分)〜池山吊尾根分岐(20分)〜北岳山荘(40分)【泊】
(2日目)北岳山荘[2900m]〜中白峰(20分)〜間ノ岳[3189m](60分)〜北岳山荘(60分)〜北岳山頂(60分)〜北岳肩ノ小屋(30分)〜白根御池小屋(60分)〜広河原(90分)−バスー芦安市営駐車場
<歩行高低差>約1693m
<歩行時間>
(1日目)7時間10分(北岳山頂まで6時間10分)
(2日目)6時間20分
2日目の間ノ岳山行履歴へ
「南アルプスの盟主」北岳は、標高3,193m、富士山に次ぐ日本第二の高峰で、古くから「甲斐の白峰」と讃えられてきました。従来は標高3,192mと公表されていましたが、山頂の三等三角点より南の岩盤の方が約80cm高いことが確認され、2004年10月15日に国土地理院により、1m高い3,193mに改定されました。北岳バットレスは日本を代表するアルパイン・クライミングのルート。
本邦第ニ位の山 恐るべし!
今回は北岳特産のキタダケソウを見ようとこの時期を選び、北岳・間ノ岳をいっぺんにやっつけちゃおー!ということで行って来ました。
前日に北岳山荘に電話を入れてみると、今年は残雪が多く、左俣コースは危険なので避けるようアドバイスしてくれました。前日まで迷っていましたが、言われた通り肩ノ小屋経由で北岳山頂を越え、北岳山荘に向かうことにしました。
前夜に芦安市営駐車場に到着。深夜だというのに駐車場付近では誘導員がいて、駐車場へ誘導してくれます。そこで仮眠をとり、早朝、駐車場の隣にあるバスターミナルから朝1番の5時10分の広河原行きのバスに乗りこみました。
バスが発車すると、山梨交通のバスガイドが、「夜叉神峠の先で、昨晩崖崩れがあり、バスが通行できない状況です。復旧の見込みは立っていませんが、とりあえず夜叉神峠まで行ってみます。」と言うのです。オイオイ、発車する前にそれ言えよ、という感じです。峠に着くと既に乗合タクシーなど十数台の車が列を作っていました。復旧の目途が付くまでバスから下りることを許され待つことに。結局2時間近く足止めをくらうことになりました。
今日中に間ノ岳を往復する計画でしたが、この時点でちょっと難しくなってきました。今回の北岳・間ノ岳への道の前途多難振りをうかがわせます。
結局8時半頃に広河原から登山スタートです。
吊橋を渡り、広河原山荘の左側にある登山道を上がっていきます。
今回は安全な白根御池コースを選択します。
はじめから急坂が待っています。
このコースは樹林帯の中にある尾根沿いに登山道が作られていて、見晴らしも無く、かなりキツイ上り坂を延々2時間半もくもくと喘ぎ登ります。
路が緩やかになり、沢を渡ると白根御池小屋まであと一息です。
(右)白根御池から北岳・八木歯ノ頭方向
(左)白根御池小屋
白根御池小屋は、比較的大きくきれいな山小屋で、無料で水道も利用でき、水の補給が可能です。
ここで一休みし、雪の残る草すべりコースの坂に向かいます。
雪の残る草すべりコース
雪の右側の枯草の上を登っていく。
白根御池
急な草すべりの路、雪渓の脇を一歩一歩上がっていきます。
やがて雪渓から離れ、林の中に入り、ジグザグの急登りが続きます。
何度も休みながら登っていくと、やがて林を抜け、見通しがよくなり、「草すべり」と呼ばれる、夏にはお花畑となる高山植物の名所に出ます。
二俣からの右俣コースを左から合わせ、ジグザグに急登すると、雪の壁が現れます。辺りはハイマツ帯へと変化し、雪壁の脇を通り、その雪の上に上がり、左に折れ雪渓を渡ると小太郎尾根に出ます。


小太郎尾根

肩ノ小屋への尾根路
緩やかな尾根路を通り、ちょっとした岩場を過ぎて、稜線を辿っていくと、北岳直下標高3000mの北岳肩ノ小屋に到着します。
ここまで約5時間半。山頂まで後一息です。
北岳肩ノ小屋
残念ながら北岳はガスっていて姿が見えません。
肩ノ小屋の左脇を抜け、小屋の後方に登山道が続いています。
急勾配を直登すると、小さな広場に出、両俣小屋への路を右に分け、更に岩場を登り、岩峰の右手を巻いて、一旦わずかに下り、登り返すといよいよ北岳山頂です。
北岳山頂
山頂はあいにくガスがかかり、下界を覗き見ることができません。
山頂の反対側に続いている岩礫の路を下り、池山吊尾根分岐に出ます。
この辺りはキタダケソウをはじめ、ハクサンイチゲ、オヤマノエンドウなどの高山植物が見られるお花畑が広がっています。
キタダケソウはこちらにUPしています。
⇒北岳の高山植物たち
池山吊尾根分岐
指導標には「この下のトラバース道 雪多く通行不可」の文字が。
八木歯のコル方向を見下ろす
お花畑
⇒キタダケソウ
八木歯のコルへは下りず、分岐をそのまま直進し、北岳山荘を目指して下っていきます。

北岳山荘
山頂から約1時間、北岳山荘に到着です。
間ノ岳は明日に持越しです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
夕方5時頃、山小屋はにわかに慌しくなりました。
非常事態発生です。
無線でのやり取りが聞こえます。
遭難事故が発生した模様です。
「滑落現場に到着しました。男性は気を失っている模様・・・」
「これから救助するのは、2次災害の恐れあり・・・」
ナマナマしい会話が続きます。
昼間見た「通行不可」の文字が頭をかすめます。トラバース道で滑落したようです。
山小屋のスタッフが救助に出払い、夕食の準備ができない状況に。
「どなたか、炊事のできる方いらっしゃいませんか?・・・
と言うのも私もお客なんです。どなたか一緒に手伝ってもらえませんか。」
数人の女性が炊事場に応援に駈け込んでいきます。
標高3000mの山小屋「北岳山荘」がひとつになる瞬間です。
午後8時 まだ無線で何やらやり取りをしているのが階下に聞こえてきます。うとうとしながら、男性は助かったのだろうか、とぼんやり考えながらなす術もなく眠りにつく私でした。
「30日午後4時50分ごろ、南アルプス市芦安芦倉の北岳(標高3193メートル)の山頂付近の南東側斜面で、40代の男性が滑落したと南アルプス署に通報があった。同署によると、救助に向かった山頂付近の山荘に常駐する同市職員らから連絡があり、男性は足をけがして動けないが命に別条はないという。同署は1日に県警ヘリで救助する予定。」
(毎日新聞 2007年7月1日)
男性100メートル滑落全身打ちけが 北岳 山開き初日
「30日午後4時50分ごろ、南アルプス・北岳で男性が滑落したと、北岳山荘に常駐している南アルプス市職員から南アルプス署に通報があった。男性は東京都昭島市の会社員男性(47)で、全身を強く打ちけがをしているもよう。現場周辺の天候が悪いことから同日の救出を断念。1日早朝から県警ヘリで救出する方針。南アルプスは30日に山開きしたばかり。
男性が滑落した現場は北岳山荘から北東に約20分歩いたところにある急斜面。登山道から約100メートル滑り落ちたとみられている。
山小屋関係者らによると、現場付近は山開きの時期は例年、ほとんど雪が残っていないが、今年は2メートル近くあるという。
同署は残雪で足を滑らせた可能性もあるとして、冬山登山の装備するよう注意を呼びかけている。」
(2007年7月1日付 山梨日日新聞)
北岳の滑落者は重傷
「南アルプスの北岳で、東京都昭島市の会社員男性(47)が滑落した事故で、県警ヘリと南アルプス署山岳救助隊が1日午前、滑落現場に取り残されていた男性を救助、甲府市内の病院に搬送した。男性は全身を強く打ち重傷。
南アルプス署によると、男性は6月30日午後4時ごろ、北岳山頂から宿泊予定の北岳山荘に単独で向かっている途中、残雪に足を滑らせて約100メートル滑り落ちた。冬山登山の装備はしていたという。」
(2007年7月2日付 山梨日日新聞)
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鳳凰三山より望む北岳(2008/9/7撮影)
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